活動報告

【代表質問要旨】⑤気候非常事態宣言について

鏡原

これまで、我が会派としても勉強会やヒアリングを行ってきた課題の一つでもあります。県内においては、これまでに高松市と善通寺市がゼロカーボンシティを宣言しており、他の市町においてもこれに続いて宣言を行おうとする動きもあると聞いています。県においても、11月議会の一般質問で「ゼロカーボンシティへの取組みについて」の質問に対し、「宣言については、地球温暖化対策を進めるにあたり、県民の皆様の意識の醸成を図るうえで有用であると考えており、宣言の効果を高めるために、各市町との連携や、経済界などの御理解と御協力が欠かせないことから、今後、それぞれの御意見も伺いながら、検討を進めていく」との答弁がなされ、今定例会初日に、知事から2050年までに二酸化炭素の排出実質ゼロを目指す、との表明がありました。これは、気候非常事態宣言を求めてきた、我が会派としても大いに歓迎すると同時に、大きな一歩であると思います。

一方で、これまで、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることは森林吸収量の面から見てもなかなか難しいところであるとの説明も受けてきました。県民の皆様の意識醸成のためと同時に、庁内での部局横断的な対策本部の設置など、その執行体制も見直していきながら、実効性ある施策を展開していく必要があると考えます。

そこで、今後本県としてどのような取組みを通してゼロカーボンを目指そうとしているのか、来年度予算への反映も含め、知事のお考えや決意をお聞かせください。

我が会派は、これまで気候非常事態宣言を本県として行うように求めてきました。今回、県はゼロカーボンシティを宣言されたということでありますが、全国的に見てもその内容については大きな変わりはなく同様の扱いであるようにも思います。

県として、ゼロカーボンシティの宣言と気候非常事態宣言をどのようにとらまえているのでしょうか。この度の表明は、気候非常事態宣言と同一のものと捉えていいのか、知事のお考えをお伺いいたします。

 

知事

近年、国内外で深刻な気象災害が多発しており、今後、地球温暖化の進展に伴う気候変動の影響によるリスクが更に高まることが予測されるなか、昨年10月の国の「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ宣言」を受け、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出削減に向けた取組みが広がってきております。

地球温暖化対策は、国と地方が方向性を一にして取り組むことが重要であり、また、県民の皆様、事業者が一体となって取り組む必要があることから、先般、本県としても、「気候が危機的な状況にあることを認識し、2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにする」ことを目標に掲げる旨の表明を行ったところです。

二酸化炭素の排出削減について、県では、これまで、地域でできる取組みを着実に進めておりますが、排出実質ゼロに向けては、これまで以上の取組みが必要となることから、現在策定中の「次期香川県地球温暖化対策推進計画」では、「脱炭素社会の実現に向けて取り組む」ことを基本目標に掲げ、徹底した省エネルギーの推進や、より一層の再生可能エネルギー等の導入促進に取り組むこととしております。

 また、特に、県全体の二酸化炭素の排出量の6割弱を占める事業活動における省エネルギーの取組みが重要となることから、これまでの、エネルギー管理士等の現地調査による事業者への助言に加え、来年度からは、新たに、金融機関等と連携して事業者の環境配慮型の投資を促進するなど、事業者の取組みに対する一層の支援に努めてまいりたいと考えております。

 一方、温室効果ガスの排出を大幅に削減するためには、国のエネルギー政策やイノベーション技術の開発などに負うところが大きく、現在、国において、エネルギー基本計画や地球温暖化対策計画の見直しにあわせ、具体的な対策についての検討も進められていることから、引き続き、情報収集に努めるとともに、国に対する要望・提案も積極的に行ってまいりたいと考えております。 

なお、「ゼロカーボンシティの宣言」も「気候非常事態宣言」も、気候の危機的状況を踏まえ、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいくという目的は同じであると認識しており、私といたしましては、今回の表明を機に、2050年までの二酸化炭素の排出実質ゼロに向け、国や各市町と連携して、県民の皆様や事業者のより一層の御理解と御協力をいただきながら、鋭意、取組みを進めてまいります。