活動報告

【代表質問要旨】③高病原性鳥インフルエンザへの対応について

鏡原

昨年11月5日に三豊市内の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生し、これまでに、三豊市内で12例、東かがわ市内で1例確認され、飼育されていた採卵鶏、肉養鶏、種鶏合わせて、19農場で約179万羽を処分することとなりました。

今回は、11月から12月にかけてと、通常、高病原性鳥インフルエンザが発生する可能性がある時期より早いタイミングで連続して県内に広がりました。最後に発生した例も、本年1月16日には移動制限が全面解除となり、予防の観点から一部継続していた消毒ポイントについても131日をもって終了し、県内においては一定程度の終息を迎えたものと少し安堵しています。しかし、全国的に見ますと、現在も他県で断続的に高病原性鳥インフルエンザが確認されており、本県においても渡り鳥が本県を飛び立つまでは気が抜けない状況が続くものと考えます。

そこで、これまで本県において比較的早い時期に高病原性鳥インフルエンザが連続して発生した要因や感染経路、その広がり等について、県としてどのように見ているのか、現在までの状況とその対応も含め知事にお伺いいたします。また、暖かくなる時期まで気が抜けない状況が続くと考えますが、今後の防疫対策をどのように図っていくお考えか併せてお伺いいたします。

次に経営支援についてです。発生農場については、ある程度の国からの補償があります。県においても、先の定例会において、つなぎ融資への利子補給等について議決がされたところです。また、今定例会初日に先議された補正予算には、移動制限や搬出制限下にあった養鶏農家に対しての補助金や、経済的に影響を受けた養鶏農家や取引業者の経営継続を支援するための給付金などが計上されています。我が会派からも、知事に申し入れを行いましたが、殺処分や移動制限などによる直接的な損失に加え、取引業者との関係においての変化や風評被害等、見た目だけでは分からない部分においての影響も多くあると考えます。

そこで、今回計上された補助も含めてその支援は、養鶏農家の方等にいつごろ届くのでしょうか。また、今後1年程度県内の養鶏業界で円滑な取引がなされているのかその推移を県として見守ると同時に、影響がある場合には養鶏業界と連携しながら最善の支援を行っていく必要があると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。

最後に、防疫措置を行った職員への対応についてです。

11月定例会の総務委員会において、我が会派の高田議員より今回の高病原性鳥インフルエンザの防疫業務に当たった職員に対するケアのあり方について質問がありました。その中で、当該職員の心身の健康状態に配慮するように所属長にお願いするとともに、知事からも各部局長に指示をされているとのことでした。また、1125日には、「鳥インフルエンザ対応用務に従事した職員の健康相談の実施について」を所属長あてに通知し、積極的に職員のケアに努めていくとのことでありました。

この度の防疫業務に従事した職員への特殊勤務手当については、特例的に増額を行う条例改正案が今定例会に提案されているところですが、心身の健康状態へのケアも重要であると思いますので、その後のフォローアップの状況について、知事に併せてお伺いいたします。

 

知事

国の防疫指針では、国及び都道府県が実施した発生農場の疫学調査結果を踏まえ、専門家からなる国の疫学調査チームが、発生原因の分析、取りまとめを行うこととなっております。

昨年12月に開催された同チームの検討会において、養鶏密集地域での環境中のウイルス量の増大が想定される中、小型野生動物や人等を介し伝播した可能性があるため、農場間の伝播の可能性も引き続き検証する必要があること、また、今後、ウイルスの侵入経路について分析・検討を進めていくこと、などが示されており、その検討状況を注視しているところであります。

今後の防疫対策につきましては、議員御指摘のとおり、全国的に依然として感染リスクが高い状況にあることから、養鶏場における飼養衛生管理基準の遵守・徹底を基本に、飼養衛生管理の全国一斉点検に基づき改善状況を確認し、基準を遵守できていない養鶏場に対して立入調査等による指導を行うとともに、養鶏農家が行う野生動物侵入予防設備等の設置・修繕に要する経費の助成や、養鶏農家向け研修会の開催、消毒を徹底するための消石灰の配布、各養鶏場への巡回指導などを実施し、飼養衛生管理の向上を図ってまいります。

養鶏農家等の経営支援につきましては、発生農家への国の手当金の場合、これまでの例では、養鶏農家から国への交付申請後、概ね2か月程度で交付されていますが、今回、非常に大量かつ連続的な発生のため、申請までに時間がかかっており、交付は4月から6月頃になるのではないかと見込まれております。

移動制限に伴う売上げ減少等に相当する額の家畜伝染病予防法に基づく助成や、県内の養鶏農家及び取引業者に対する県独自の経営継続を支援するための給付金などの支援については、県への交付申請がなされ次第、速やかに、審査・支出等の手続きを行ってまいります。

また、今後も、養鶏農家や関係団体からの聞取り等を通じて影響状況の把握に努め、経営に関する相談対応や鶏肉・鶏卵の安全性の情報発信、オリーブ地鶏等の消費拡大に向けた取組みなどにより、支援してまいりたいと考えております。

防疫業務にあたった職員に対するケアにつきましては、所属長が健康管理室に相談する必要があると判断した職員15名、最前線で防疫業務にあたった獣医師など24名、本庁において防疫業務に従事した職員のうち、月100時間超の過重労働の状態にあった職員34名に対し、産業医や保健師、臨床心理士が面談等を行ったところであります。

その結果、直ちに就業制限が必要なほどの健康状態の悪い職員は見られなかったものの、業務の量的負荷、睡眠不足、不規則な生活などにより、健康リスクが高い状態となっていたことから、業務内容の見直し、シフト勤務制の導入など、量的負荷を軽減するための助言指導を行ったところであり、引き続き職員の健康管理にも努めてまいります。